ゲゲゲの・・・①ー原作本ー(H23.1.17記) [本BOOK]
先週末、昨年の流行語大賞となった「ゲゲゲの・・・」の原作本「ゲゲゲの女房」を読みました。
副題は「人生は・・・・終わりよければ、すべてよし!!」です。
漫画家・水木しげる夫人の武良布枝さんの自叙伝。、昨年NHKの朝の同名の連ドラの原案となったもので、50万部を越すベストセラーなのだそうです。(実業の日本社刊)
口述文のような心優しい文体で淡々と語られる水木夫妻の家族の物語は、水木しげるの特異なキャラクターもさることながら、なかなか波乱万丈で面白く、一気に読み終えました。
実は、大評判になったNHKのTVドラマは7月下旬ころ、ドラマが半ば過ぎたころから最終回まで見ましたし、映画も12月初めに見ていましたので、原作本の内容は大体は知っていたわけですが、あらためて原作本を読んでみると、著者の包容力豊かな暖かい人間性や逆境に負けない芯の強さが平易な文体から自然に伝わってきて、TVドラマや映画とは別の、作り物ではない感動を受けました。
この本の末尾の「あとがきにかえて」のなかで、著者は次のように語っています。
『水木は強烈な個性を持った人で、独自の生き様を貫いてきましたが、それとは全く対照的に、私は古い日本の生き方を、そのままとおしてきたように思います。
現代の女性には理解できないかもしれませんね。「すべてを受け入れる」だけの人生でした。あの洗うがごとき赤貧の日々も、たしかに辛かったけれど、私は不幸ではありませんでした。もちろん惨めだったこと、寂しかったこと、いまも納得できない理不尽なことが、数え上げればキリがないほどにあります。でも、「終わりよければ、すべてよし」なのです。』
『 どんな生き方を選んだとしても、最初から最後まで順風満帆の人生なんてあり得ないのではないでしょうか。人生は入り口で決まるのではなく、選んだ道で「どう生きてゆくか」なんだろうと、わたしは思います。』
この著者の素朴で実直な生き方が、この本がベストセラーになり、TVドラマ化、映画化されて「ゲゲゲの・・・」ブームを巻き起こした大きな要因のひとつなのでしょう。(続く)
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