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今日は何の日(H23.9.30記) [映画]

9月30日。今日は何の日?

現役時代、勤めていた会社は3月決算の会社でしたから、9月30日は「上期末」。

1年の会社の決算の折り返し点の日で、上期の業績結果に一喜一憂していましたね。最近では「四半期決算」とかで、「第二四半期末」とでも呼ぶのでしょうか。

それはともかく、日本記念日協会編「365日・今日は何の日?・記念日ハンドブック」を覗いてみました。

9月30日。

「ジェイムス・デイーン忌」

1955年の今日は、「エデンの東」「理由なき反抗」に主演し、一躍スターの座についたアメリカの映画俳優ジェイムス・デイーンが自動車事故で亡くなった日。3作目の「ジャイアンツ」の完成目前だった。愛車のポルシェに乗った彼はハイウエイでリムジンと激突した。

と記されています。

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24歳の若さで、たった3本の主演作を残してこの世を去った、1931年生まれの天才俳優は、彗星のごとく現れ、そして去り、名前だけが残りました。存命であれば、今年80歳。

ちなみに、この「記念日ハンドブック」の「9月30日の誕生日」の欄には次のお二人の名前がありました。

     石原慎太郎 (1932年)

     五木寛之 (1932年)

そうか、このお二人は、ジェイムス・デイーンと同年齢なのですね。


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壬生義士伝⑤(終)(H23.7.24記) [映画]

映画「壬生義士伝」

鳥羽伏見の戦いで単身敵陣に切り込んだ吉村貫一郎。

その吉村が、傷つき、ボロボロになった刀を杖にして、大阪・南部藩邸に戻ってきます。

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大阪・南部藩邸の責任者は、吉村の無二の親友である、大野次郎右衛門。(大野千秋はこの大野郎右衛門の嫡男)

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大野は、脱藩した南部藩への帰参を願い出る吉村を叱り、切腹を命じます。

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そして、一室を与えられた吉村は、降る雪を見つめながら、妻や子に静かに語りかけ、家族には手元に残った金銭を、子供には大野から切腹に使えと渡された名刀を、「此二品 拙者 家へ」と血文字で書き残して、切腹して果てます。

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吉村貫一郎が、来し方を振り返り、故郷の妻子に一人静かに語り続けるこの長いシーンは、家族愛に満ち溢れ、涙なくしては見られません。正に「浅田・人間ドラマ」の真骨頂というべきシーンでした。

翌朝、大野は、切腹して果てた吉村を抱き起こし、藩の責任者として公の立場からは脱藩者である吉村を許すわけに行かなかったことを泣いてわびます。そして、吉村の故郷の家族に、遺品を届けさせます。

吉村の遺児である長男嘉一郎は、父の残した刀を携え、父と同じく「南部武士」の「義」のため、函館の五稜郭へ赴いてゆきます。幼い妹、みつ、を大野千秋に託して・・・・。

この、吉村の遺族が、吉村の遺品を受け取るシーンと嘉一郎が妹を大野千秋に託して函館に向かう別れのシーンも感動的でした。

吉村の遺品を受け取るシーンで、吉村の娘、みつが懐から父の写真を取り出して泣きじゃくりますが、この写真こそ映画の冒頭、齊藤一が大野医院で見つけた写真でした。

そして、大野はこれまでの穏健中立の立場から、一転して「官軍こそ賊軍なり」として、官軍に列した秋田藩を会津藩とともに討つべく出兵し戦死します。

『その後私はみつと結婚しました』という大野千秋の語りで回想が終わり、大野医院に「吉村貫一郎」の写真があった経緯が判明し、「吉村貫一郎の人間ドラマ、愛のドラマ」は終わります。

治療を終えた、小児科担当の千秋の妻(吉村の娘みつ)が齊藤一の孫とともに診察室から出てくるシーンから、「映画・壬生義士伝」のクロージングとなります。

以下は、動画でどうぞ。

南部藩の武士として、新選組の隊員として、そして妻子を持つ一人の人間として、進むべき正しい「義」の道を生きた「吉村貫一郎」の物語は、映画を見始めた当初に感じた、「浅田版・新選組活劇ドラマ」ではなく、壮大な「人間ドラマ」であり「愛のドラマ」でした。

図書館で偶然出会った、題名だけしか知らなかった映画、「壬生義士伝」は、思いもかけない感動のドラマでした。  (終)

 


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壬生義士伝④(H23.7.23記) [映画]

浅田版・新選組物語、「壬生義士伝」の映画は、いよいよクライマックスへ向います。

南部藩・下級武士であった、吉村貫一郎の「武士」として「人」として、そして「夫と父」としての素顔が、新選組生き残りの齊藤一と、吉村の親友の嫡男、大野千秋の回想により明らかにされてゆき、いよいよ物語りは、鳥羽伏見の戦いへ。

淀千両松における官軍との戦いの中で、2日間食事も出来ず、疲れ果てた齊藤一が吉村貫一郎から「一個のおにぎり」を渡されて、がつがつと貪り食ったあと、吉村が食べていないことを知り、それが最後の一個だと聞かされ、思わず吉村を押し倒し、「人間は嫌いじゃ、おのれのことより他人を気遣う仁者は、もっと嫌いじゃ・・・・」と叫びながら、続いて「吉村、お前は逃げろ」と語りかけるシーンは、この映画の白眉のシーーン。

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これまで、吉村を殺したいほど嫌っていた齊藤一が、吉村に「神」をみるこのシーンは、深く胸を打ちます。

そして、錦の御旗を押し立てる官軍にひるみ、後退する幕府軍を尻目に、一人官軍に立ち向かおうとする、吉村貫一郎。そして・・・

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「新選組隊士吉村貫一郎、徳川の殿軍ばお務め申っす。一天万乗の天皇様に弓引くつもりはござらねども、拙者は義のために戦ばせねばなり申さん。お相手いたす」と叫んで敵陣に切り込んでゆきます。

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齊藤は、「この世で初めて見た、まことの侍、たった一人の義士」と感服し、「この男だけは殺してはならぬ」と思い、後を追おうとしますが、足に被弾して倒れます。そして「死ぬな、吉村」と叫び続けます。

この、吉村貫一郎が「南部武士」としての「義」を貫いてゆく姿は、瞼に焼きついて離れません。

そして、映画は感動のラストシーンに向います。(続く)

 


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壬生義士伝③(H23.7.22記) [映画]

映画「壬生義士伝」。

すべり出しのアクションシーンに続く、院長・大野千秋の回想により、盛岡・南部藩の下級武士・吉村貫一郎の人間としての素顔が明かされてゆきます。

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誰よりも主家・南部藩を思い、ふるさとの山野、自然を愛し、

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文武に秀でた藩校の教師として後進を育て、

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妻を深く愛し、家族を大切にする、人間味に溢れた吉村貫一郎の姿が、情感豊かに描かれてゆきます。

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しかし、下級武士の立場で、どうしても乗り越えられぬ「貧困」の壁に直面し、「家族」を愛するがゆえに脱藩を決意する吉村。

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そして新選組に加入後は、「守銭奴」と言われても、その給金をすべて盛岡の家族に仕送りして、家族を守り通そうとします。

映画は、吉村が脱藩するまでの彼の家族や友人にまつわるエピソードと新選組・隊士としてのエピソードを織り交ぜながら、幕末の時局の変動と新選組の興亡もからませて進行してゆきます。

映画を観はじめた当初は、新選組活劇映画かと思っていましたが、次第に吉村貫一郎という男の、人として、そして武士としての「義」を貫こうとする、人間ドラマであり愛のドラマであることがわかってきて、ぐんぐん、感動の世界に引き込まれてゆきます。

そして、ドラマはいよいよクライマックスに向ってゆきます。(続く)

 


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壬生義士伝②(H23.7.21記) [映画]

映画「壬生義士伝」は、引越し準備中の街中の医院を孫の治療のために訪れ、待合室で「吉村貫一郎」の写真を見た老人の、新選組で吉村貫一郎に出会う回想シーンから始まります。

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老人は、元新選組・副長助勤三番隊長の齊藤一。吉村貫一郎と新選組で共に戦った強者。幕末を生き延び、維新後は警視庁に奉職。

院長は、大野千秋。吉村貫一郎の盛岡・南部藩の親友の嫡男で、吉村貫一郎の教え子。維新後上京し、医師となる。

( もちろん、映画のこの段階では、この老人と院長の素性は全くわかっておりません。)

映画は、熱を出した子供の治療を待つ間の、この2人の夫々の回想によって展開されてゆきます。

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即ち、「吉村貫一郎」が新選組に加入してから、鳥羽伏見の戦いで敗れるまでの、「武士」としての生き様については、当然ながら、老人、即ち齊藤一の回想により、彼の南部藩における、下級武士であるための貧困の中で、文武を磨き、脱藩をしてまで最愛の家族を最後まで守り抜いた「人」として、「男」としての生き様については院長、即ち大野千秋の回想により語られてゆきます。

この映画に関する予備知識がほとんどないままで、観始めましたので、はじめのうちは、幕末・新選組活劇映画のような感じで観ていました。

「壬生義士伝」のタイトルに続く、冒頭の3つのアクションシーーンは将にその期待を裏切らない迫力あるものでした。

一番最初は、新入隊員として永倉新八と真剣で立ち会うシーン。

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次いで、新入隊員歓迎の席で吉村から「お国自慢」「家族自慢」を散々聞かされて、うんざりした齊藤が吉村を「殺してやろう」と決意し、その帰路、いきなり斬りつけるシーン。

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そして、規律違反で切腹を命じられ、切腹直前に、取り乱して逃亡を図る隊士を、飛ぶように追って鮮やかに一刀の元に刎首するシーン。( こんなシーンを映像にしてもいいのかしら、と心配になるような刎首シーンでした )

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映画冒頭のこの3シーンはいずれも迫力満点。

このすべり出しで、風采の上がらない、田舎侍然とした吉村貫一郎が、武士として並外れた剣の力量の持ち主であることが明らかになります。(続く)


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