爽秋の明治村④-無声堂ー(H27.10. 23記) [旅日記]
10月19日、駆け足で回った「明治村」。
殆どの建物は外観だけしか楽しめませんでしたが、建物の内部をゆっくり見学した唯一の建物が「無声堂」です。
「無声堂」は大正6年(1917)金沢の第四高等学校に建てられたもので、柔道、剣道、弓道三つの道場を兼ね備えた大きな洋風建築物。
長い年月にわたり、幾多の若人がこの「無声堂」で修練を積んできました。
今回「明治村」に同行したメンバーのなかに、四高剣道部OBを父に持つ者がおり、道場内を是非見ようと誘われて中に入りました。
建物中央の正面入り口には「無声堂」と記された額が架かっています。
中に入ると右手が柔道場、(道場の写真はWEBから拝借しました)
左手が剣道場になっています。
それぞれの側壁上部に部員の名札が架かっています。
柔道部のそれを眺めていると、作家の「井上靖」や政治家、実業家で読売新聞の社主であった「正力松太郎」の名前もありました。
剣道部のその中に「土川元夫」の名がありますが、土川元夫は名鉄の社長、会長を歴任し、名古屋商工会議所会頭も務めた実業家で「明治村」の生みの親。
壇の上には優勝旗を手にした、剣友・土川元夫と印された木彫像が。
多くの逸材を輩出した旧制第四高等学校の武道場「無声堂」。
竹刀の音と裂帛の気合いに満ちた鋭く大きな声がどこからともなく聞こえてきます。
剣道のかかり稽古のありさまを録音したテープを流しているようです。
無声堂で修練を重ね我が国の発展と繁栄に尽力した多くの先人の、志や情熱に想いを致しながら、しばしテープの音に耳を傾けました。(続く)
無声堂剣道場に父上野張武、叔父吉江知養(1名置いて右)にあるのですが、自分で撮った写真が、吉江の方が不鮮明です。はっきり写った画像があったら見たいのですが。
by 上野康男 (2022-03-11 17:47)