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W通信・第24号ー黒部ルート見学記②ー(H.28.7.29記) [W通信]

北陸の旧友、Wさんから送っていただいた、「W通信・第24号」の続き、「写真で綴る、黒部ダム・非公開ルート見学記②」です。

「欅平~黒四ダム間の非公開区間」の位置関係は以下の通りです。

黒部トンネル見学ルート図.jpg

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欅平から工事用トロッコ電車に3分程乗り、竪坑エレベーターで200M昇ります。

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エレベーターを昇った地点で外の景色を見ました。黒部川上流部を望んでいます。左側の大岩壁は奥鐘山の大岩壁です。クライマー憧れの岩壁だそうです。

昭和13年12月27日深夜「ほう雪崩れ」が発生し、対岸志合谷に設けられていた、ダム建設宿舎で就寝中の84名の人が、宿舎もろとも黒部川を越え600M程離れたこの大岩壁まで飛ばされたそうです。

信じられないような雪崩でした。こまで飛ばされたと分かるまで2ヶ月間以上を要したそうです。関係者が経験、予想も出来なかった巨大なエネルギーを持つ雪崩でした。ほう雪崩という概念がまだ認識されていませんでした。

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竪坑エレベーターを降り、蓄電式バッテリカー車両で高熱隧道を通り、黒部川第四発電所まで行きます。1車両10人乗りの小さな車両です。

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途中の仙人谷ダムです。昭和15年完成でかなり埋まっています。黒部川第三発電所の水はここから取水しています。

仙人谷ダム手前に高熱隧道があります。建設当時岩盤最高温度は160℃を超えていましたが、現在は40℃程との説明がありました。硫黄の臭いを嗅ぎ、湯ノ花のような結晶を見ました。

工事は昭和11年から15年にかけて行われました。戦時体制が強まる中、現在では許されない、極めて劣悪な労働環境と考えました。黒部第三発電所建設に絡む工事で300名を超える犠牲者がでました。詳しくは吉村昭「高熱隧道」に書いてあります。

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仙人谷ダム下流部の景観です。  

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終点黒四発電所です。発電所手前に14年前、紅白で中島みゆきが歌った場所がありました。NHKスタッフ100人程が来たそうです。

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4機の発電機があり、手前の4号機と一番奥の1号機が動いていました。最大出力33.5万KWで見学時は8万KWの出力でした。広大な発電所は無人で動いているそうです。

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巨大な水車です。18年間使用したら交換と聞きました。



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発電所からは「インクライン」というケーブルカー運搬器具で最大斜度34殿のトンネルを昇りました。車内で中島みゆき紅白DVDを観ました。

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インクラインを降り、黒四ダムまでトンネル内をバスで移動しました。途中、バスを降りて外の景色を見ました。下流方向を望んでいます。生憎、剣岳は雲の中、雪は三の窓雪渓です。

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見学会は黒四ダムで解散です。展望台からの風景です。黒部湖を観光船が行きます。



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黒四発電所は全て地下にあります。理由は公立公園内で自然景観を守る、積雪、雪崩れ等から設備、建物を守る等の理由と聞きました。発電機4機がある建物空間は高さ33M,長さは117Mです。大きな建設機材、発電機等をどうして狭い軌道、トンネルで運んだのか興味は尽きません。(続く)



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先程(29日 20:23 頃)、北陸の旧友Wさんからメールがありました。

Mrブラックアウトさん アップありがとうございました。説明のなかで、10年程前から一般公開と書きましたが、本を読んでいたら20年程前の間違いでした。(後略)

とのことですのでお詫びして訂正させていただきます。「W通信・黒部ルート見学記」は明日で終わりです。


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