W通信第30号②― 五箇山・利賀村の概況 ー(令和4.6.8記) [W通信]
北陸在住の旧友Wさんから4/19に写真付きメールをいただく前に、4/12,4/13と2日続けて以下のメールをいただきました。
<4/12 受信メール 抜粋>
ここ数日、夏の様相です。日曜日(4/10)には久しぶりに利賀へ行ってきました。丸2年は行っていません。国道ですが曲がりくねった道を40分ほどかけて走りました。
ひと山超えた演劇場がある所は50センチオーバーの雪で、道沿いの田んぼは融雪を早めるため割ってありました。木の周りは雪が解け残雪の残る風景に心が和みました。
住む人減り続ける中苦労が多いと思います。10年程前に閉鎖されたスキー場で滑る人をみました。
愛知県を含めて県外ナンバーもかなりあり、スキーを担いで滑っているのでしょう。
積雪の残る道端で遅いフキノトウを摘み天ぷら、フキノトウ味噌でした。
<4/13 受信メール 抜粋>
久しぶりの利賀(4/10)でしばし見とれていたのが正直なところです。
ズーム付きのカメラも持参したのですが面倒で取り出しませんでした。私の腕ではとてもそれだけの風景を再現できないと思ったのと面倒だからです。
目を大きく見開きゆっくりと瞼を閉じて体内レンズに収めてきました。
前の週(4/3)は平村、今週(4/10)は利賀、暫く五箇山に通うつもりです。
何となくハイです。2年間ほとんど出なかった影響もあるのでしょうか。
フキノトウ等の山菜もお目当てです。加えて蕎麦、日帰り温泉、山シャクヤク等の花。一期一会の気分です。
熊のリスクがありますから日曜日限定です。
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コロナ禍で2年間出かけられなかった鬱憤を晴らすかのように、春の訪れに合わせて「平」や「利賀」に向かい、久しぶりの五箇山の風景を瞼にしっかりと焼き付け、山菜や花の自然の息吹に心躍らせているWさんの、浮き浮きした様子が生き生きと伝わってきます。
「五箇山・利賀村」について、Wさんから別のメールで以下のような概況説明をいただきました。
文中の地図は私がグーグルMAPから借用したものです。
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利賀村は五箇三村(平、上平、利賀)の中で一番アクセスが不便な村です。
他の2村は国道156号沿いに位置しています。40~50年ほど前に城端からの国道に3km程の「五箇山トンネル」が開通してから平村、上平村は激変しました。中京地区と結ぶ幹線道路でした。
高速道路開通後は環境がこれまた激変しましたが相倉、菅沼の合掌集落も人を呼んでいます。
また、村内を流れる庄川には関西電力の大きなダム、発電所があり財政的にも豊かと思っています。
利賀村は村内に数多くの建物、施設があります。ありましたが正確かもしれません・・・。かなりが休館ないしはほとんど使用されていません。
補助金を使い造るのが目的と言われても仕方がない建物が沢山あります。蕎麦の郷、瞑想の郷、富永イチロウ美術館等です。唯一活動して誇れるものは演劇村でしょうか。
スキー場も3つありましたが全滅です。 .
アクセスの悪さを解消するため利賀川にダムを造る計画があります。工事事務所が出来ておそらく30年は経過していると思います。ダムと引き換えに156号栃原地区から村内に入る道路を建設することが交換条件です。道路もダムもまだ途中までです。以上は私の見解も交えたものです。
地理的には利賀川と百瀬川が流れています。利賀川上流岐阜県境近くに規模は小さいですが県営ダムがあります。その下流に利賀ダム建設が進められています。これは庄川に合流します。
一方、山を挟んで百瀬川が流れています。
私はかって、スキー場へは庄川小牧ダム手前湯谷からくねくね道19KMを緊張感を持ちながら運転して、さらにトンネルを抜け百瀬地区最奥部のスキー場ですからよほどの好き物でないと行きません。
「雪国」ではありませんがトンネルを抜けると積雪量が一変します。
雪質は県内トップ級です。百瀬川はダムがなく室牧ダム経由で神通川へ合流します。現在は2つのトンネルが出来て両方の往来は極めて楽ですが、トンネルがなかった頃は山越えの往来は極めて困難であったでしょう。
私見を交えた利賀村(現在は全て南砺市)概況です。
利賀村を見ると日本の将来の縮図を見ているように思えます。
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若き日、富山県に、そして高岡市に住んでいた割に、五箇山・利賀村の事は殆ど知らなかった私には、Wさんの簡潔な「利賀村の概況レポート」は大変興味深かったのですが、表記されている地名の位置関係が全く頭に浮かんできませんでしたので、全面的にグーグルMAPのお世話になって、Wさんのレポートを地図に落としてみました。
あらためて地図を眺め、Wさんのレポートを読みながら、五箇山地区が「秘境」と呼ばれる所以がよく理解出来ました。
それにしてもWさんは昔、「小牧ダム」経由で利賀のスキー場「スノーバレーToga」までスキーに行かれたそうですが、余程スキーがお好きだったのでしょうね。 (続く)
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