民謡三橋流(H.28.9.20記) [交友]
9月19日。名古屋・金山の市民会館で「民謡三橋流」の第50回発表会が開かれました。
「名古屋市民会館」は平成24年から、日本特殊陶業が市から命名権(ネーミングライツ)を取得し、愛称が「日本特殊陶業市民会館」になっています。
「民謡三橋流・三橋美智一会」の発表会。今年は50回の記念の年のようです。
「三橋一伊勢」という芸名の私の古い友人が十二年前に「名取教授」となって以来、毎年発表会に出かけています。
今年の「三橋一伊勢」さんの発表曲は「岡山県民謡・忠義ざくら」ですが、その出番の前に、師匠・三橋美智一と名取教授の皆さんの三味線の競演で北島三郎のヒット曲「♪風雪流れ旅」の唄を披露してくれました。
出演No55番。いよいよ、「三橋一伊勢」さんの出番です。
ファンの皆さんからお祝儀やお花が渡されます。
今年の発表曲、「忠義ざくら」は岡山県津山地方の民謡。
鎌倉時代末期、隠岐に流される後醍醐天皇を慰めるために児島高徳という武将が桜の木の幹を刀で削り,十文字の漢詩を掘り,囚(とら)われの身の後醍醐天皇を慰めた「桜」のこと。
児島高徳は中国の故事にある「越王を助けた范蠡(はんれい)」の話を漢詩にして桜の木に彫り、そして范蠡(はんれい)」のような忠臣がここにもいます、と天皇を慰めた。この桜を「忠義桜」といい、唄となって今日に伝えられているとのこと。
三橋一伊勢さんの名調子をお聴きください。(手振れがあって画面が見にくい部分は平にご容赦ください)
歌詞は以下の通りです。
忠義桜
1 桜ほろ散る院の庄 遠き昔を偲ぶれば
幹を削りて高徳が 書いた至誠の詩(うた)がたみ
2 君のみ心安らかれと 闇にまぎれてただ一人
刻む忠節筆の跡 めぐる懐古に涙湧く
「天光勾践を空しうするなかれ 時に范蠡なきにしも非ず。」
<てんこうせんをむなしうするなかれ
ときにはんれいなきにしもあらず>
3 風にさらされ雨に濡れ 文字はいつしか消えたれど
つきぬほまれの物語 永久(とわ)に輝く花のかげ
YouTubeを検索してみましたら、同じ「三橋流」の「三橋美智憲」さん(この方は福山で三橋流津軽三味線美智憲会を主宰していらっしゃいます)のこんな動画がヒットしました。
民謡、三味線、踊り。日本の伝統芸能は脈々と継承されているんですね。